アドラー心理学の誤解を解いていく! その2
どうもみなさん、seinosenです。
前回の記事では、アドラーの生涯を知り、誤解その1を解いていきました。
この記事では、2つ目以降の誤解を解いていきます。
誤解その2「アドラー心理学はつらい経験をした人間を相手にしたことのない、未熟な思想だ。」
前回の記事を読んだ方々ならもうおわかりですね?
アドラーは1914年の第一次世界大戦において、軍医として招集され、戦争によって大量に誕生した精神病患者を数多く診察しました。
戦争なわけですから、毒ガスで死んだ人、蜂の巣にされた人、一瞬で肉塊にされた人を何度も見た人達がたんまりいるはずなのです。当然そうなれば、PTSD障害を患った方もいます。
軍医に課せられた使命は1つ。負傷した兵士を治療し、すぐさま戦線に送り出すことです。
幼い頃に弟を亡くして、医師を目指したアドラーにとっては苦渋の思いでした。彼は当時のことを「囚人のような思いだった」と語ったそうです。
こんな壮絶な経験があってもなお、画面の前のあなたはアドラー心理学が重い症状を抱えた人を考慮してない思想と言い切れますか?
多くの人は「言えない」と答えてくれることでしょう。
誤解その3「個人に責任を負わせる自己責任論である。」
アドラーは自由意志を強く認め、責任の所在を明らかにしました。確かに責任は個人にあると言っていると解釈できます。
しかし、自己責任論のように、責任が個人にあるからといって人を責めたり、救済しないことの理由にするのは間違っています。
自己責任論は「勇気くじき」の理論ですが、アドラー心理学は「勇気づけ」の理論です。
この2つは似て非なる理論です。
自分に責任があるということは、改善する余地があることを示してます。ここからいかに自分をよりよい人にするかが、重要になります。
誤解その4「人生は思いのままになるポジティブ思考」
過去、とても辛い経験をした人はそれがトラウマになり、それが原因で今不幸だと考えてしまいがちです。アドラーがトラウマを否定したのは、辛い経験をしても生きていかなければならないからで、トラウマを理由に自分の課題から逃げてはいけないからです。
前を向いて成長していくには、辛くてもその課題に向き合わなければなりません。
いかがでしょうか?
今回は4つの誤解を解いていきました。本当ならもっと多くの誤解を解きたいのですが、そうするとこんな感じの記事を5つぐらい書いてしまいそうなので、また別の機会にしようと思います。
アドラー心理学は現代社会の思想などに大きな影響を与えた思想です。しかし、日本ではつい20年ほど前に輸入されたばかりの新しい思想です。そのうえ、シンプルで実用的なのでどうしても誤解が生まれてしまいます。
そういったことがないよう、微力ながらこのブログで解決できたらいいなぁ、と思います。
最後に、皆様にお伝えしたいことがあります。
前回と今回の記事は著書「嫌われる勇気」を読んだ人たちの誤解が中心です。この人たちに共通していたのは、嫌われる勇気1冊を読んだだけでアドラー心理学を理解したつもりになっていることでした。
残念ながら、アドラー心理学は嫌われる勇気だけで理解できるほど簡単ではありません。
この思想を理解するにあたって、注意して欲しいのは...
- 自分の理解が正しいかどこまでも吟味すること
- たくさんの関連した本を読むこと
要は慎重に理解することです。情報量が少なければ、その思想本来の目的が見えてきません。
なので、理解したつもりにならずに、他者との対話を重ねたり、たくさんの本を読んだりして、より理解を深めてください。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございます!
参考
嫌われる勇気
幸せになる勇気
アドラー心理学入門書
人間関係が楽になる アドラーの教え